ある時、伊織から一枚の写真を見せてもらった。
そこには一年前の彼女と亜美とやよいの姿が映っていた。
「へぇー、伊織って昔はこんな髪型だったのか。ストレートだし今と違って全部髪を上げてるんだな」
「そうよ。っていうか伊織って呼び捨てにしないでくれる?伊織さんって呼びなさい」
「はいはい伊織さん。うわ、亜美がこんなにちっちゃい。一体一年で何センチ伸びたんだろ…。
やよいはあんまり変わってないなあ。ちょっとまだ幼い感じだけど。
そうだ、一度でいいからさ、またこの髪型見せてくれないかな?直に見てみたいんだよね」
「いや」
「せめてオールバックだけでも」
「嫌よ。それは昔の私。今の私は今の私。昔には戻れないんだから。
確かに、あの時は永遠に変わらないままいられると思ってたし、
その写真の中の私もそう思ってると思うけど、私は変わったの。戻る気はないわよ」
「そうか…じゃあ仕方ないな。諦めるよ」
「アンタも早く変わりなさいよね。いつまでも律子にダメ出しされてるようじゃ、
名プロデューサーになるなんて絶対無理なんだから」
「その通りでございます伊織お嬢様」
「宜しいっ!じゃあさっそくジュース買ってきなさいもちろん果汁100%でね」
「…はい…」
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