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オリジナルのむかしばなしを考えてみました。
洋風のやつです。




◆ヘビに勝つ男◆

むかし、あるところに強い男がいました。
男は、何度もヘビとたたかい、ヘビに勝ち、時にヘビに飲まれ、ヘビの腹をつきやぶって出てきたこともあるほど、強い男だったので、皆からは「ヘビに勝つ男」と呼ばれていました。

ある時、ヘビに勝つ男は生活するためのお金がなくなってしまったので、王様のところへいき、やとってもらうことにしました。

そこで、お城へ続く道を歩いていると、向こうに一人の男が立っていました。

「あれは強い男だ。おそらく、何度もタコとたたかい、タコに勝ち、時にタコに飲まれ、タコの腹をつきやぶって出てきたこともあるほど、強い男に違いない」と、ヘビに勝つ男は思いました。

「あんたは、タコに勝つほど強い男に見えるな、おれと一緒に王様のところへいかないか」
「あんたも、ヘビに勝つほど強い男に見えるな、おれも一緒に王様のところへいこう」
こうして、ヘビに勝つ男は、タコに勝つ男と一緒にいくことになりました。

二人がお城へ続く道を歩いていると、また、向こうに一人の男が立っていました。

「あれは強い男だ。おそらく、何度もワシとたたかい、ワシに勝ち、時にワシに飲まれ、ワシの腹をつきやぶって出てきたこともあるほど、強い男に違いない」と、ヘビに勝つ男は思いました。

「あんたは、ワシに勝つほど強い男に見えるな、おれと一緒に王様のところへいかないか」
「あんたたちは、ヘビやタコに勝つほど強い男に見えるな、おれも一緒に王様のところへいこう」
こうして、三人は一緒にいくことになりました。

お城へ着くと、三人は王様の前に通され、ヘビに勝つ男がこういいました。
「王様、おれたちは、ヘビ、タコ、ワシに勝つ男です。王様がヘビ、タコ、ワシに飲まれた時には、すぐに助け出すことができます。どうかおれたちをやとってください」

すると王様は、
「私がヘビ、タコ、ワシに飲まれることはありえない。帰っておくれ」といい、三人をおいだしてしまいました。

しかたがないので三人は、森の近くで木こりとしてはたらきはじめました。
「きっと、おれたちをやとわなかったことをこうかいするだろうな」
と、ヘビに勝つ男は思いました。

それから何日かたったある日のこと、三人の元へ王様の家来が手紙をもってやってきました。
手紙にはこう書かれていました。

「私は王様だ。今、ヘビに飲まれ、ヘビの腹ごしに家来に話しかけ、手紙を書かせている。すぐに私を助けてほしい」

そこで、さっそく三人は、王様を飲みこんだヘビの元へいき、ヘビに勝つ男がヘビの腹をきりさいて、王様を助け出しました。

「助けてくれてありがとう、何でも望みをいいなさい」
「では、おれたち三人をやとってください」
「いいだろう、しかし、私がタコやワシに飲まれることはありえない。ほかの二人は帰っておくれ」
「三人一緒でなければ、けっこうです」
ヘビに勝つ男は、王様のもうしでをことわり、二人とともに森へ帰りました。

「きっと、おれたちをやとわなかったことをこうかいするだろうな」
と、タコに勝つ男は思いました。

それから何日かたったある日のこと、三人の元へ王様の家来が手紙をもってやってきました。
手紙にはこう書かれていました。

「私は王様だ。今、タコに飲まれ、タコの腹ごしに家来に話しかけ、手紙を書かせている。すぐに私を助けてほしい」

そこで、さっそく三人は、王様を飲みこんだタコの元へいき、タコに勝つ男がタコの腹をきりさいて、王様を助け出しました。

「助けてくれてありがとう、何でも望みをいいなさい」
「では、おれたち三人をやとってください」
「いいだろう、しかし、私がワシに飲まれることはありえない。あとの一人は帰っておくれ」
「三人一緒でなければ、けっこうです」
ヘビ、タコに勝つ男は、王様のもうしでをことわり、三人で森へ帰りました。

「きっと、おれたちをやとわなかったことをこうかいするだろうな」
と、ワシに勝つ男は思いました。

それから何日かたったある日のこと、三人の元へ王様の家来が手紙をもってやってきました。
手紙にはこう書かれていました。

「私は王様だ。今、ワシに飲まれ、ワシの腹ごしに家来に話しかけ、手紙を書かせている。すぐに私を助けてほしい」

そこで、さっそく三人は、王様を飲みこんだワシの元へいきましたが、ワシは男たちがやってくると、ひらりとまいあがり、
あっというまに遠くへ飛んでいってしまいました。

三人は王様を助けることができなかったので、しかたなくお城へ戻ると、家来たちが口々にこういいました。
「あなたたちのような強い人であれば、この国をまかせてもあんしんです。どうか王様になってください」

そこで三人は、みんなで王様になり、協力しあってりっぱに国をおさめ、楽しくくらしましたとさ、めでたしめでたし。

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